犬の乳腺腫瘍は、雌犬には一般的な(頻度の高い)腫瘍です。
乳腺腫瘍が発生する要因はホルモンや肥満などが指摘されていますがとりわけ『ホルモン』が強く関係していると考えられています。
それは避妊手術と乳腺腫瘍の発生率の関係で表されます。
初回発情前に避妊手術をした子たちでは発症率が0.05%であり、2度目の発情後の避妊手術では発症率が
26%との報告があります。このことより、早期の避妊手術をすることにより乳腺腫瘍の予防が行えると思われるます。まつい犬猫病院でも避妊手術のメリットとして考えております。
実際、乳腺腫瘍発生したらどのような治療を行うのでしょうか?
治療計画を立てるに当たって腫瘍の進行度と全身状態を把握しなければなりません、そのためにレントゲン検査・血液検査をはじめとする各種検査を行わせていただき治療方針を決定します。
基本的人は外科治療がメインとなります。
14歳のミニチュアダックスフンドです。
4番目の乳頭(ちくび)部に大きなシコリができていました。
各種検査により全身状態は良好であり手術前での転移やリンパ節の腫れ等も認められないため外科手術をおこなうようにしました。
今回は、3番目の乳頭部から一番下の5番目の乳頭部までと、内股の鼠径リンパ節を含めて切除しました。
摘出した腫瘍の病理検査では、腫瘍は全部取り切ることができ、なおかつリンパ節の病変も認められませんでした。
術後経過(治療計画)は定期検診での経過観察となりました。
乳腺腫瘍は腫瘍の大きさや位置また進行度によって治療計画が大きく変わるので、シコリを発見した場合は迷わず速やかに病院にご来院ください。
飼い主様がご納得される最善の治療計画を提供(相談)させていただきます。